[尼崎市]救出された富松町の道標
富松町は阪急塚口駅と武庫之荘駅のほぼ中間にあり、一般には富松城跡のある町として知られています。
その富松町の一角に道標を兼ねたお地蔵さんがありました。
少し東の辻から移設されて来たとのことですが、ガードレールに守られ、立派な台座の上に据えられて安泰であるように見えました。
ところが、以前撮影した写真のデータを無くしたので、2009年、再撮影のために訪問したところ、台座だけを残して道標部分が無くなっていました。
元は花が生けられ、近所の方により大切にされていました。
2009年の訪問した時にはまだ生けられた花が残っていましたが、2010年4月、捜索のために再訪してみると、かつてそこにお地蔵さんがあった形跡すらも無くなっていました。
周辺で聞き取り調査をしてみたところ、道標はある施設に保管されているとの情報を得ました。
さっそく訪ねてみると、情報通り道標が保管されていましたので写真撮影をさせていただきました。
道標は小川とガードレールのすき間に設置されていたのですが、その小川の川底に落ちていたのを発見した方が持込んできたそうです。
警察や市役所に連絡したが、所有者不明のものは扱えないということで帰ってしまい、やむなくそのまま預かっているとのことでした。
物が物だけに、捨てるということはないが、処置に困っているそうです。
この道標のあった辻は、尼崎から昆陽寺、中山寺、有馬へのルートの内の一つにあたり、また逆に、西武庫地区から塚口、神崎を経て大阪に通じる道筋でもありました。
亡失したと思ってた道標に再会できて嬉しいかぎりです。
できれば、この道標が再び日の目を見ることを願っています。
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